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倒産が頭をよぎるとき、社長が知っておくべき ポイント12

(写真=Biglife 21/photoAC)
(写真=Biglife 21/photoAC)

資金繰りが厳しい。これ以上商売を続けても傷口を広げるだけ……。従業員の雇用や取引先への迷惑を考え必死に頑張ってきたが、万策尽きてしまった。そんなときに経営者は何をすればよいのか?

倒産件数一万件下回るなかで

2014年は倒産件数が24年ぶりに一万件を下回った(9731件・東京商工リサーチ調べ)。数字だけ見ると日本景気が上向いたようだが、実際は統計上の「倒産」に該当しない隠れ倒産(休廃業)が多い。さらにモラトリアム法終了後も暫定リスケで結論を先延ばしにしているだけの企業も一定数あると思われる。つまりなんとか生き延びているだけのゾンビ企業は今もって結構多い。

本稿では「自己破産」や「事業廃止」「倒産」といった言葉が経営者の頭をよぎった際に知っておくべきポイントを12レクチャーする。

最後の最後まで諦めないで、再建を目指すべく努力してほしい。

①倒産とは何か?

そもそも「倒産」とは何か。一般に倒産というと、すべての資産を換金処分して債権者に分配、その上で事業の廃止という清算型の処理をイメージしがちだ。

しかし実際は事業の存続・再生を目指す再建型の手続きも倒産に含まれる。事業は継続して得られた収益をもとに債務の弁済を行ない、再建を目指していくケースのことだ。

②倒産には2種類の手続きがある

次に倒産の手続きだが、これは裁判所が関与する「法的整理」と、債権者と債務者の当事者間だけで行う「私的整理」と呼ばれる二通りがある。

(写真=Biglife21/弁護士・宮原一東先生(桜通り法律事務所))
(写真=Biglife21/弁護士・宮原一東先生(桜通り法律事務所))

中小企業が再建を目指す場合は「倒産というレッテルを回避しながら営業基盤を維持でき、従業員の雇用を守る事にもつながるし、関連企業の連鎖倒産を防ぐこともできる」という点でこの私的整理で行うべきと、会社再建を得意とする弁護士宮原一東先生は言う。

③銀行秘密の義務とは?

では、企業に於ける債権者とは主に誰なのか。多くの企業の場合それは金融機関だろう。すなわち企業を再建するとは、金融機関とのリスケ調整が重要なポイントになるということ。

昨今は政府の指導もあり金融機関はリスケに応じやすくなっている。とはいえリスケのお願いをしたら、地場の企業にその情報が伝わってしまうのではないか、こう不安に思う人もいるだろう。

この点、金融機関には銀行秘密の義務がある。決して外部に情報を漏らしてはならないのだ。このため債務整理していることを取引先や顧客に知られることはまずない。風評被害は回避できる。

④債務の個人保証は解除されやすくなっている

また、一般的な中小企業だと経営者個人の債務保証がある場合が多い。倒産=身ぐるみ剥がされるとイメージしがちだが、この点も環境がかなり変わっている。

というのも、2014年2月に『経営者保証に関するガイドライン』なるものが策定された。このガイドラインは、銀行借入に付随する経営者の個人保証の解除を目的としたもの。個人保証の保証解除は昔に比べれば認められやすくなったのだ(これにより個人保証が減少していくのかはわからないが、経営者の心理的負担が軽くなったことは確か)。

⑤法的整理を避けるべき理由

裁判所の関与の下進められる倒産手続き「法的整理」は、極力避けるべきである。企業を精算するのであれば「破産」。再生を考えるのであれば「民事再生」となるのだが、何れにしろ裁判所を関与させるということは、周知の事実になるということ。

当然ながら、「企業が危ない」という悪評がたつ可能性があるし、取引先にも知られることになり、取引継続に支障を来すことになりかねない。

⑥企業再生を検討するタイミングはいつが良いのか

では、企業再生を検討するタイミングはいつが良いのか。当たり前だが、可能な限り早い方が良い。とはいえ経営を中々諦めたがらないのは経営者の性。そこで検討する信号となりえるタイミングをまとめてみた。

・資金ショートや手形不渡りのリスクを事前に把握している時(財務資料の作成を税理士任せにせず、資金繰り表も自社で作るという当たり前のことを行うことで数カ月先を読めるようになる)
・本業の営業利益が出ていない時
・借入過多(過剰債務)の時
・実質債務超過の時 (簿価は違うが、実質的には債務超過と判断される時。例えば、取扱商品の相場が急落。保有不動産の不動産価値が下がる。デリバティブで失敗。連帯保証債務の顕在化など)

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