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社長が法人保険で「節税」を考えるべき3つの根拠

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

会社の節税と法人保険は切っても切れない関係にある。なぜなら、法人保険を上手く活用すれば節税対策を講じる事ができるからだ。法人保険ならではの節税という点におけるメリットが実はたくさん存在するのである。法人保険の基本的な仕組みは、会社が契約者・保険金受取人となり、自社の役員(経営者)や従業員などに対して保険を掛けるというものである。

その保険料の全部または一部は、損金(税法上の経費)に算入する事が出来る。役員や従業員に万が一の事があれば、会社は保険金を受け取ることができるのである。この保険金を死亡退職金としたり、運転資金に充てる事もでき、必要がある時は解約して解約返戻金を受け取ることができ、会社のリスクヘッジになる。

節税に関する法人保険の3つのメリット

①直近の納税額を減らせる

法人保険の中には、保険料が損金に算入できる商品がある。具体的には商品によって異なるが、損金算入できれば、それだけ会社の所得が減り法人税額も減少する。決算直前になって予想以上の利益が出るような場合には、緊急対策として法人保険の契約を結ぶところもある。短期的に手っ取り早く納税額を減らす事ができるのは、大きなメリットであると言える。

②法人税の税率が下落傾向にある時は、課税の繰り延べが有利である。

法人保険契約を解約する時は、解約返戻金を受け取る事ができるのだが、この場合、資産計上との差額分は何もしなければ雑収入として益金算入されて課税される事になる為、会社の決算が黒字である場合は法人保険契約の解約はしないほうが良い。

つまり、法人保険による節税は、節税と言うより課税の繰り延べに過ぎないのである。ただし、会社の決算が解約返戻金の額を上回る赤字を出している時には、解約したほうが節税できる可能性がある。また2016年現在、法人税率は下落傾向にあり、この傾向が続く限り課税の繰り延べの手段として法人保険を導入するほうが節税に繋がる事は確かである。

このように、法人保険による節税は、課税の繰り延べをした上で「将来赤字が出た時に解約して税金を抑える」事が目的となるのである。逆に言えば、将来に渡って損失が発生しないような会社の場合には、課税の繰り延べをしても節税効果への期待はできないという事になる。したがって、「解約するタイミングと損失の状況」をしっかりと把握しておく事が肝要なのである。

こうした法人保険契約の解約のタイミングとして考えられるのが役員の退職金である。特に、功績のあった役員の退職金ともなれば高額になるケースがあるのだが、このような場合、会社に数千万円の損金が発生する為、法人保険契約を解約する事を検討し実行するのが良いのである。つまり、益金計上額と同額程度の損金を発生させるスキームを考案して行けば、高い節税効果を期待する事が出来るのである。

③実はリスクがある法人保険を使った節税対策

このタイプの節税対策にはかなりのリスクがあるのだが、検討するに値する重要性の高いものについて考察すると次の通りである。

節税効果を含めてもトータルでプラスになるのは数年後になる。

法人保険を使った節税がトータルでプラスになるには3~5年掛かるのが一般的である。節税効果を含めなければ法人保険会社の手数料もある為、プラスにならないような保険商品もあるのだ。

高額な保険料を何年も支払う必要がある(途中で変更できない)。

これこそが最大のリスクであり、法人保険を使った節税は保険料として年間100万円以上の保険料を支払う必要がある上に、途中で変更ができないのが一般的である為、経営が苦しくなっても保険料を支払い続ける事になってしまう。もちろん、解約は可能ではあるが、その保険契約期間によっては損失が発生してしまうリスクがあるのだ。

半額損金タイプは資産の固定化を招く。

解約返戻率が高いタイプの保険は、保険料の半分しか損金算入が認められないケースもあり、このようなタイプの保険は、前払い保険料が貸借対照表(バランスシート)に資産として計上され、資産を固定してしまうのである。

このような節税対策は、将来の税制改正に影響を受ける事があり、例えば、近年において、全額損金算入が認められていた「逓増定期保険」が、半額損金へと変更されたという経緯があるのだ。

課税と節税を考えるタイミング

以上の考察から導かれる結論として、法人保険を使った節税というものは、課税の繰り延べを意味するものであり、課税のタイミングへの調整であると言っても過言ではない。会社の決算が黒字であれば課税の繰り延べを続け、会社の決算が赤字になったり、大きな必要経費が発生するようなタイミングを見計らって法人保険契約を解約し、解約返戻金を受け取って赤字を補てんしたり、必要経費の原資としたりする事も可能である。

現在法人税率は減少傾向にあるので、実際に納税するのが先になればなるほど納税額が低くなる可能性もある。更には、法人保険の解約返戻金を何の為に使って行くのかについて、事前にあらかじめ検討し、決定しておく事も有効な節税対策となるのである。