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悩みたくない資金繰り 解決の糸口となる原因把握

(写真=Thinkstock)
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経営者にしか分からない苦しみ

「資金繰り」、これは経営者にとってあまり耳にしたくない言葉であるだろう。

経営が健全な状態であればまだしも、危機的な経営状況での資金繰りはリスクも高く困難な手法に頼らざる得なくなりがちである。その精神的な負担は経営に携わる者でなければ理解することは難しい。経営者と普段関わりのある税理士や会計士も各分野のプロではあっても資金繰りのプロでは無いので分からないことが多く、誰にも相談出来ずに負の連鎖に陥ってしまう経営者も多い。

そのような中、東京信用保証協会には金融機関や中小企業から、毎日1000件以上の緊急保証に関する問い合わせが寄せられているという。資金繰りに窮しているにも拘わらず、保証の適用を取り下げられたり、期待通りの保証を受けらなかったりするなど、苦情や苦痛を訴えるケースも散見されると言う。

そのような状況になってしまう前に、正しい知識や情報を持って冷静に会社経営、資金繰りと向き合えるようにしておく事が大切だ。

資金繰りの悪化要因

資金繰りを悪化させない為には、まずその原因を知っておく必要があるだろう。「収益減」「過剰な設備投資」「借り入れの返済」「売掛金・未収金増加」「売り上げ拡大」「在庫増加」などが、その代表的な原因である。

収入源や過剰な設備投資は分かりやすい例である。設備投資をすると水道光熱費や維持管理費などの運転資金が掛かり、投資の効果が営業キャッシュフローとして表われるまでには時間も掛かる為、投資後は一時的に資金繰りが極端に悪化してしまうことになる。

また、借入金も「借り入れ増額→資金繰りが悪化→資金不足に陥る→借り入れ増加」という悪循環を招いてしまう為、資金繰りに大きく影響していく。

更に、売り上げが急増した為に資金繰りが悪化するという事もある。一見すると「収益減」と対極関係にあり「何故?」と思ってしまう方も多いだろう。通常、売上代金を回収するには一定の期間(小売店や販売代理店が定期的に売り上げ報告をして代金を入金するまでの間の事)が必要だが、その間に売上が急増すると、仕入れ代金や人件費が急増するにも拘わらず、その支払いの財源になる売上代金回収が間に合わないといった事態が起きる。これが資金繰りの悪化要因に繋がっていく。

そして、商品の「在庫」も資金繰りに大きく関わってくる。在庫を大量に長期間保有すると、その分資本の回転が鈍くなる。仕入れから売上回収までの流れは「現金預金→棚卸資産(在庫)→売掛金→現金預金」のサイクルだが、この棚卸資産がダブついてしまうと、資金繰りの悪化に繋がる為だ。また、在庫の余剰が長く続いてしまうと、破棄や値下げによる見切り販売が多くなるというマイナス面もあるのだ。

資金繰りが上手い経営者・下手な経営者

では、資金繰りが上手い経営者になる為にはどのような点に気を付ければ良いのだろうか。

資金繰りが上手な経営者を見てみると、一定の共通点がある事が分かる。それは「責任感」だ。資金調達や運用をする時に、その行動を自分の責任だと自覚しているかどうか。経営者なら当たり前と思いがちだが、この心構えが無い人は意外と多いのだ。しかし、全て自分で背負う必要があるかと言うとそうでは無い。「人に仕事を任せる事」も資金繰りの上手さにつながっていく。中小企業では、全ての仕事を自分一人でこなせてしまう、馬力の高い経営者が多いのだが、結果的には経営者自身が重要な仕事に割ける時間が減ってしまい、小さなミスが大きな失敗につながる恐れがあるので注意が必要だ。

一方で資金繰りが下手な経営者とは、「責任を取りたがらない」「他人を信用しない」人が多い。例えば、資金調達に失敗しても「相手の理解が足りない」「運が悪かった」などと言い訳をし、責任の所在を自分から遠ざける傾向にある経営者は要注意である。また、先述の通り、人に仕事を振らず全て自分でやろうとする経営者もリスクが高いと言える。

さらに意外にも「借入が得意だ」と自負する経営者も注意が必要である。古くから銀行との付き合いがあり、上限まで借入をしてからどうしようもなくなるケースも存在する。やはりお金を引っ張ってくるだけではなく、どう運用するかも意識する必要があるだろう。

資金繰りに困らないためには通常業務外の時間を作り、資金繰りの悪化要因を作らないことや、資金繰り予定表をしっかり作りこんでいくことが肝要となっていくはずだ。