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経営者が知っておくべき「寄付金課税」の基礎知識 控除されるもの、されないもの

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(写真=PIXTA)

経営者が寄付を行うと税制上の特典も

ふるさと納税はよく耳にするが、寄付金控除とはどのような制度なのであろうか。
まずは、経営者が母校へ寄付を行った場合、どのような節税効果があるのだろうか。
母校へ寄付した場合は、特定寄付金となる場合がある。

特定寄付金をした場合には、確定申告をすることになる。その際には「税額控除制度」と「所得控除制度」のいずれかを選ぶことになる。

税額控除制度の場合は、(特定寄附金の額 -2000円)×40% =寄付金控除額となる。
所得控除制度の場合は、特定寄付金額 -2000円=寄付金控除額となる。

どちらを選ぶかは、経営者ご自身の所得税率による。多くのケースでは税額控除制度の方が、減税効果が大きくなると思われるが、所得税率が高い場合には、所得控除制度のほうが有利になることがある。これに加え、自治体によっては、大学を「寄付金税額控除対象法人」としている。その場合には、税額控除制度あるいは所得控除制度に加え、さらに住民税も控除することができるのである。

住民税の寄付金税額控除は、(寄付金額-2000円)×控除額=住民税の控除額となる。

例えば、慶應義塾のパンフレットでは、寄付により「所得税と住民税を合わせて、最大で寄付金の約50%の減税効果があります」と書かれている。これは「税額控除制度あるいは所得控除制度により所得税の寄付金税額控除をすると、40%が限度となる。また、住民税では、控除率は10%となる。これをあわせて、50%となるという試算である。

入学寄付金はどうか?

また同じ寄付金でも子供の入学寄付金に関しては残念ながらこちらの寄付金には該当しないため、寄付金控除を受けられず節税対象とならないため注意する必要がある。

他にも、国、地方公共団体に対する寄附金、日本赤十字社に対する寄付金、公益社団法人、財団法人に対する寄付金も特定寄付金に該当し、寄付金控除が受けれる。

しかし、寄付をしただけでは控除はされず、控除を受けるためには、自ら確定申告する必要がある。具体的には、寄附した団体などから交付を受けた領収書などを添付する必要がある。また、特定寄付金に該当するものは、特定公益増進法人である旨の証明書の写しなども添付する必要がある。

身近な寄付の事例として以下のようなものもある。

近くのお寺に寄付した場合は、寄付金控除の対象になるのだろうか。

答えは「ならない」。

しかし国税庁によれば、改築工事のための寄附が財務大臣の指定を受けたものであり、特定寄附金に該当する場合は寄附金控除の対象になる。

また最近はポピュラーになりつつあるふるさと納税の寄付金は、都道府県・市区町村に対する寄附金(ふるさと納税)を行った場合、確定申告が不要な給与所得者について、ふるさと納税先が5団体以内の場合に限り、ふるさと納税先団体に申請することにより確定申告不要でこの寄附金税額控除を受けることができるワンストップ制度がある。

しかし、経営者で確定申告を行う場合、ワンストップは利用できず確定申告時に申告しなくては寄付金控除の対象とならないので注意が必要である。

眞喜屋朱里(税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表)

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