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退職金のない経営者の不安を払しょく? 経営者しか加入できない「小規模企業共済」とは

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(写真=Thinkstock/GettyImages)

もし自分が退職しても、「会社員ではないから退職金は無い」という不安をぬぐう制度がある。ふるさと納税とは違い、長期的にみた節税を行い資産形成が可能なお得な制度が「小規模企業共済制度」だ。

msmakiya-150x150Written by 眞喜屋朱里(税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表)
東京都中央区に開業している女性税理士事務所。会社設立からその後の経営サポートまで経営者を全力で支援。迅速に対応し経営者及び経理担当者様の不安を拭うよう常に心がけている。眞喜屋朱里税理士事務所

 

経営者、役員しか入れない

小規模企業共済制度は、個人事業をやめられたとき、会社等の役員を退職したとき、個人事業の廃業したときのために生活資金等をあらかじめ積み立てておくための共済制度である。小規模企業共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しているので安心できる面もある。

加入資格は、常時使用する従業員が20人(商業とサービス業(宿泊業、娯楽業を除く)では5人)以下の個人事業主やその経営に携わる共同経営者、会社等の役員である。掛金月額は、1000円から70000円までの範囲(500円刻み)で自由に選ぶことができ、増額、減額もできる。

掛金は税法上、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として課税対象となる所得から控除することができるのが特徴である。生命保険料と違い控除限度額計算はないのが最大のメリットではないだろうか。

しかし、注意点は、掛金は、共済契約者ご自身の収入の中から払込む必要があるため事業上の損金または必要経費には算入できない点である。つまり経営者の個人の通帳より引落し、振込する必要があるのだ。その掛け金をどうやって、経費にするのかというと、年末調整もしくは確定申告という手段にて控除、還付するということになる。

長期的な節税・資産形成ができる

具体的に、節税額はどのぐらいなのだろうか。

経営者、役員の課税される所得金額200万円の場合、掛金月額1万円で2万700円、掛金月額3万円の場合5万6900円、掛金月額7万円の場合、12万9400円となる。

課税される所得金額1000万円の場合、掛金月額1万円で5万2400円、掛金月額3万円の場合157300円、掛金月額7万円の場合、36万7000円となる。税金だけでも、これだけメリットがある。ふるさと納税などにて節税はできるものの、将来の資金形成まではできない。こちらの制度を利用することによって長期的な節税及び資産形成ができるのが特色である。

受け取るときの課税は?

共済金等の受取方法には、「一括受取り」、「分割受取り」および「一括受取りと分割受取りの併用」の3種類がある。

ただし、分割受け取りには、共済金の額が300万円以上であることや、請求時点で満60歳以上であることが必要である。受取方法などで税法上の取扱いが異なる。共済金を一括で受け取る場合は、退職所得扱いとなる。共済金を分割で受け取る場合は、公的年金等の雑所得扱いとなる。共済契約者が亡くなったために遺族が共済金を受け取る場合は死亡退職金となり、(相続税法上)みなし相続財産となる。

65歳以上の人が任意解約をする場合(解約手当金)は、退職所得扱いとなり、65未満の方が任意解約をする場合(解約手当金)は、一時所得扱いとなる。受け取り方により、確定申告の有無が異なるのできちんと確認する必要がある。

資金繰りに利用。金融機関と違い、無担保で資金調達可能

小規模企業共済制度の特色として、資金繰りなどにも利用できる点がある。

納付した掛金の範囲内で、事業資金等の貸付けが受けられる。貸付要件は、加入後、貸付資格判定時までに、12か月以上の掛金を納付していること、掛金の納付月数に応じて算定される貸付限度額が、貸付資格判定時において10万円以上に達していることである。

一般貸付や、緊急経営安定貸付、傷病災害時貸付、福祉対応貸付、事業承継貸付などの種類がある。事業資金等の貸付は、担保・保証人は不要であるため、銀行借り入れによる資金調達よりスムーズに行うことができる。

地震、台風、火災等の災害時にも貸付を受けることができるので企業(個人事業)防衛を図ることができる。万が一に備えることもでき、いざというときの死亡にも家族に退職金を残せる。そのうえ、廃業した時にも退職金を用意できるこの制度をいまいちど調べてみる価値はあるのではないだろうか。

【参考】
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
http://www.smrj.go.jp/skyosai/000876.html

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