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こんな時代だから知りたいM&A(第4回)

M&A
(写真=Biglife21)

─ M&Aコラム応用編 ─ M&Aの疑問に応えます!!

【続】その①/経営者が自社の売却を考えたとき、まず誰に相談するのが適切ですか?

前回のコラムでは、経営者が自社の売却を検討する時に最初に誰に相談すべきかということで同じ業界にいる経営者仲間への相談に関して検討してみました。

  • 会社売却の情報を業界内部の人間に知らせることは最も危険な行為であることを覚悟すること。
  • 同業者に話す行為は業界内に情報が漏れてしまうリスクが高い行為なうえに、さらに御社の従業員にも情報が伝わるリスクへと連鎖し会社全体のモチベーション低下を招き、ひいては企業価値の低下(=会社売却の失敗)という最悪の事態を引き起こしてしまう。

という危険性を前回のM&Aコラムで指摘しました。

ただ、もちろん例外はあります。最初の相談の前に経営者自身がM&Aに関してしっかりとした事前の準備と勉強をされていて、相手の経営者との特別な関係性がある場合です。特に事業承継の場合はあり得ることだと思います。

ただどんな場合でも親しい関係が、会社売却の相談によって崩れてしまう場合もあるので注意が必要です。 万が一、会社売却の話が成約に至らなかったとしたら、そのような相手とこれからも付き合っていく必要があるのです。

一度壊れてしまった関係を修復するのは大変困難な作業です。以上のことを覚悟した上で細心の注意を払って情報管理を行う必要があります。

・次に最初に相談する相手候補として同業者でも、業界の人間なら誰もが知っているような頼りがいのある有力者に相談するという方法もあります。

有力者ですので、業界の動向を誰よりも知っている可能性があります。もしかすると御社を買収してくれそうな企業を紹介してくれるかもしれません。

しかしこの場合も、機密保持、情報管理の面で不安が残ります。同業界ゆえ、やはりどうしても情報が漏れてしまう危険が付きまといます。

また、その有力者と仕事上の関係があると、会社の売却に失敗した際に上記のケース同様に関係がこじれてしまう危険があります。

会社売却の相談は、ついつい身近にいる同じ業界で働く経営者や同業者の方々に相談してしまいがちですが、同業者ならではのデリケートな問題も絡んできますので、よほど特別な間柄でない限りは慎重な振る舞いが求められます。

最初の相談先には業界とは関係のない相手を選ぶほうが無難です。

・最初に相談する相手、3番目としてメインバンクに相談するというのはどうでしょうか?

基本的に業界とは無関係ですし、何より銀行には守秘義務があるので情報が漏れる心配は少ないといえます。

会社売却に対し金融機関からの協力が得られるのは大きなメリットです。早めに相談して理解を得られれば、銀行の協力と指導のもと、スムーズなM&Aが期待できます。

場合によっては、買い手企業を紹介してもらったり、金融機関の視点から適切なアドバイスをしてもらえたりすることもあります(しかし、地方銀行の場合、M&Aに関する知識をほとんど持たない担当者が数多くいて、過剰反応をすることがあるので注意が必要です)。

このようにメインバンクを相談先とすることで得られるメリットは大きいのですが、一方で、絶対に見落としてはならないデメリットもあります。

例えば、銀行は常に融資の資金回収をどこかで心配し、警戒しているという事実を深く見極める必要があるということです。

銀行は「会社」そのものだけではなく、経営者自身の事業に対する信念や志、将来性にかけて融資しているケースが少なくありません。

売上や返済計画といった単なる数字だけではなく、経営者自身に信念とやる気があるか、信頼できるか、といった経営者の人格面も重視して融資の審査を行っているのです。

従って、その経営者から会社売却の相談を持ちかけられると、銀行側は御社の経営姿勢に不安を抱き懸念が生じます。

これまで信頼できる経営者と思って融資していたがその経営者が、 事業継続の意欲を失い、会社を売却しようとしている。銀行にとっては今後資金の回収にあたり大きな不安材料を抱えることになってしまいます。

このような状況でも、上手に会社を売却できたならまだ結果オーライとなりますが、問題なのは、M&Aが上手くいかず、引き続き事業を継続することになってしまった場合です。

一度は会社を売ろうとした関係性が残ってしまいます。銀行の信頼を取り戻し、関係修復を図るのはなかなか困難でしょう。そういう事態に陥らないためにも、メインバンクへの相談も慎重に行うべきです。

今回はここまで。次回もよろしくお願いします。 (第5回に続く)

(提供:Biglife 21)

秋尾星獅-2-201x300秋尾星獅(あきお・せいじ)…1961年生まれ。55歳。独立系経営コンサルタント会社に在籍後、1991年仲間と現在の会社前身である経営・マーケティングコンサルティング会社を起業。2000年からIPO(株式上場)支援コンサルティング。2004年からM&A支援コンサルティング業務をそれぞれ本格稼働させる。2007年には社名を株式会社IPO・M&Aコンサルタントグループに変更。現任IMグループ取締役会長。

 

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