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こんな時代だから知りたいM&A(第5回)

M&A
(写真=Biglife21)

─ M&Aコラム応用編 ─ M&Aの疑問に応えます!!

【続】その①/経営者が自社の売却を考えたとき、まず誰に相談するのが適切ですか?

前回コラムでは、同業者への相談について検証を試みました。

多くの経営者の方々は、会社売却の相談先として、ついつい社内の役員や腹心を含む信頼できる身近な相手に相談してしまいがちです。

しかし、身近であればあるほど、会社とは切っても切れない関係にある場合が多く、会社の売却に際して何らかの悪影響を与えてしまうリスクがどうしても付きまとうことをしっかりと認識すること。

同業者や金融機関などの利害関係者への相談は、M&Aの成功を妨げる障害になるリスクを深く認識する必要があります。情報管理は慎重のうえにも慎重さを重ねる対応が重要なポイントとなります。

前回のコラムで「最初に相談する相手、3番目としてメインバンクに相談することについて」の検証を試みましたが、今回のコラムではその続きを検証してみます。

銀行へのM&A相談で注意が必要なのは、あくまで融資先としての企業評価が大前提であり、経営の専門家ではないので企業の事業評価を正当に評価できる目をキチンと持ち合わせているかどうかは疑問が残るという点です。

売り手サイドの社長との売却希望が充分に満たされないまま成約してしまう、あるいは希望とのギャップがありなかなか成約できないリスクがあることも理解しておく必要があります。

例えば低い買収金額に対して正しい企業評価を論理的に展開してアドバイスできるだけのノウハウを豊富に持ち合わせているかといえば、そうとは言い切れないのが実情です。

今は銀行もM&Aに対して以前と比較すると積極的な対応をするところが多く出ていますが、まだまだ対応が追いついていないというのが現状だと思います。

銀行によっては提携M&Aアドバイザリー会社に丸投げという案件もあるようです。

・最初に相談する相手候補として、4番目に検討するのは、税理士、会計士はどうでしょうか?

銀行と同じく守秘義務があり情報管理に関しては安心できそうです。ただほとんどの税理士、会計士に関してはM&Aに関しての情報、ノウハウが圧倒的に不足しているという事実があります。

これも銀行と同じく、経営の専門家ではないので企業の事業評価を正当に評価できる目をキチンと持ち合わせているかどうかは疑問であり、売り手サイドの社長との売却希望が充分に満たされないまま成約してしまう、

あるいは希望とのギャップがありなかなか成約できないリスクがあることも理解しておく必要があります。

よって、果たしてM&Aの最初の相談役として相応しいかどうかは慎重に見極めるべきです。

ただ、会社の財務・会計情報を把握しており会社の将来評価は別にして財務・会計の視点から現状の会社状況に関しては一番心強い相談相手であることは間違いありません。

・最初に相談する相手候補として5番目に検討するのはM&Aアドバイザー会社はどうでしょうか?

M&Aアドバイザーとは、売り手(または買い手)と契約し、顧客にとって有利な交渉を進めるためのアドバイスを行う専門家のことで、M&A仲介のプロです。

ただし、プロという言葉に安易にだまされてはいけません。

M&Aアドバイザー会社というのも、大企業から、中小企業まで様々ですが、M&Aマッチングの現場を知っている立場からいわせて頂ければ、

M&Aという取引の特殊性ゆえにM&Aアドバイザリー会社の規模の大小がそのままM&Aディールの質の保証、売り手サイドの社長の満足につながるかは疑問だということはお伝えしなければなりません。

実はM&Aアドバイザリー業界も様々な立ち位置のプレーヤーが入り乱れ群雄割拠の状況で、売り手サイドの社長にはよくわからないM&Aアドバイザーと買い手企業との利害関係が発生していたり、

顧客満足より自社利益優先でM&Aの安易な成約を誘導したり、あるいはこれも銀行や税理士、会計士と同じく担当が経営の専門家ではない、その業種・業界の専門外で企業の事業評価を正当に評価できる目をキチンと持ち合わせていない場合、

売り手サイドの社長との売却希望が充分に満たされないまま成約してしまう、あるいは希望とのギャップがありなかなか成約できないリスクが同じようにあることも理解しておく必要があります。

ですので、M&Aアドバイザー会社(M&A仲介業者)のメリット、デメリットも充分に把握したうえでの相談が重要になってくるのです。

会社の売却は、一生に一度あるかないかの非常に大きな決断、大きな取引です。動く金額も大きく、経営者にとっては、人生最大の取引になる可能性があります。

経営者だけでなく、従業員や取引先など、御社を取り巻く利害関係者の運命も左右する重要な決断になります。基本的に失敗は許されないのです。

このように、会社売却は、自分はもちろん周囲の人間をも巻き込んだ大きな取引となるため、安易に決定してしまうようなことは絶対に避けなければなりません。

今回は以上です。次回M&Aコラムもお楽しみに! (第6回に続く)

(提供:Biglife 21)

秋尾星獅(あきお・せいじ)…1961年生まれ。55歳。独立系経営コンサルタント会社に在籍後、1991年仲間と現在の会社前身である経営・マーケティングコンサルティング会社を起業。2000年からIPO(株式上場)支援コンサルティング。2004年からM&A支援コンサルティング業務をそれぞれ本格稼働させる。2007年には社名を株式会社IPO・M&Aコンサルタントグループに変更。現任IMグループ取締役会長。

 

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