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「商品券を発行したいが処理の仕方が分からない」経営者のために

自社の商品券を発行した場合、会計処理はどうするのだろうか。例えば会社で商品券を1000円発行したけれど、決算までに商品と引き換えられたのは700円しかない場合どのように処理するのだろうか。

msmakiya-150x150Written by 眞喜屋朱里(税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表)
東京都中央区に開業している女性税理士事務所。会社設立からその後の経営サポートまで経営者を全力で支援。迅速に対応し経営者及び経理担当者様の不安を拭うよう常に心がけている。眞喜屋朱里税理士事務所

 

3年経過時の仕訳とは?

商品券,会計処理
(写真=PIXTA)

発行時は、借方が現金1000円、貸方は商品券1000円となる。引換え時は、借方が商品券700円、貸方は売上700円となる。そして、3年経過時の仕訳として、借方が商品券300円、貸方が雑収入300円となる。

この3年経過時の仕訳とはなんだろうか?

法人税では、商品券の発行対価はその発行した事業年度の益金の額に算入し、期末に商品と引き換えられていない商品券にかかる引き換え費用をその発行事業年を含めて4事業年度まで見積もり計上するのが原則処理なのである。

ただし、発行事業年度ごとに区分して管理する商品券の対価については、所轄税務署長の確認を受けて、商品の引渡しの都度収益計上し、引き換えられていない商品券の対価は発行事業年度終了の日の翌日から3年を経過した日の属する事業年度の収益として計上することができる。つまり、都度処理を考えている法人は、必ず所轄税務署長の確認を受ける必要があるので要注意である。

消費税の取り扱い

これに対して消費税では、商品券の発行自体は非課税取引であり、商品券と商品を引換えた場合には、その商品券が自己が発行したものであるか他の者が発行したものであるかにかかわらず、その商品の引換えのときに資産の譲渡等があったものとして処理するのである。

このように、商品券などの発行時には消費税の課税関係は生じない。商品券の発行について、発行の時点を収益計上の時期とする方法、または商品券の発行代金を預り金として処理し、商品と引き換えた時点を収益計上の時期とする方法のいずれの方法で経理されている場合でも、実際に商品を引き渡した時に消費税の課税が生ずることとなるので、二重に課税されることはない。

また、自己の店舗等において引換給付を行うことができる商品(課税資産)に係る商品券の印刷費は課税仕入となる。

従業員に商品券を給付した場合

従業員に商品券を給付した場合、給与等として課税の対象となる。会社の創業記念として商品券の支給が行われる場合、その支給を受けた各従業員は当該商品券と引き換えに、商品を自由に選択して入手することが可能となりますので、商品券の支給については金銭による支給と異ならないと国税庁にも回答がある。

他から商品券を購入した場合の消費税処理

消費税の取引は、非課税となる。後日、商品券等を使って商品の購入をしたり、サービスの提供を受けたりした時が課税の時期となる。仕入れに含まれる消費税額の控除は、商品券などを購入した時ではなく、後日その商品券などを使って実際に商品の購入又はサービスの提供を受けた者が、その時に行うことになる。

なお、事業者が自ら使う商品券などで継続して購入した日の属する課税期間の課税仕入れとしている場合は、その経理処理が認められることになる。

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