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時間や場所にとらわれない働き方「テレワーク」は必要か? 海外では廃止する企業も

「情報通信機器を利用して時間や場所にとらわれない働き方をする」--。いわゆるテレワークがクローズアップされている。政府も「働き方改革」の中で重点ポイントの一つとしている。国内や海外の現状はどうなっているのだろうか。

政府が進めようとしているテレワーク促進について

テレワーク,ワーク・ライフ・バランス
(写真=Bplanet/Shutterstock.com)

 

政府が現在進めている「働き方改革」の中で、テレワークは切り札の一つと位置付けられ、総務省や厚生労働省、経済産業省などが連携して進めている。7月24日を「テレワーク・デイ」と定めて2020年の東京五輪に向けて普及を促す活動もその一つだ。

テレワークとは情報通信技術(ICT)を活用し、時間や場所にとらわれない働き方を実現するものであり、大きく以下の3つの形態に分けられる

1. 在宅勤務
オフィスに出社するのではなく、自宅で電話やインターネットを使って仕事をする

2. モバイルワーク
顧客先や移動中に携帯電話やパソコンで仕事をする

3. サテライトオフィス勤務
本来の勤務先以外のオフィススペースやシェアスペース等で携帯電話やネットワークを活用して仕事をする

今後、少子高齢化による人口減少が進行することは確実で、それに伴って生産人口は現在の7500万人程度から2050年には5000万人程度まで減少することが見込まれている。政府は、これを見越してテレワークも含まれる「働き方改革」を通して、より労働力を確保するための方策を進めようとしているのである。

何が目的でどういう効果があるのか

政府がこのような方針でテレワーク導入を推進しているのには次のような目的がある。「少子高齢化対策の推進」「ワーク・ライフ・バランスの実現」「地域活性化の推進」「環境負荷軽減」「有能・多様な人材の確保生産性の向上」「営業効率の向上・顧客満足度の向上」「コスト削減」「非常災害時の事業継続」――である。

総務省では、以上のような目的が掲げられているが、特にポイントとなるのは以下の3つではないだろうか。

(1)労働力の確保(少子高齢化対策の推進、ワーク・ライフ・バランスの実現、有能・多様な人材の確保生産性の向上)
(2)生産性の向上とコスト削減(通勤、移動時間の削減、迅速な顧客対応の実現)
(3)災害時の事業継続性(災害時の自宅やサテライトオフィスからの業務継続、大規模感染等のパンデミックへの対応)

このように、従来のオフィスに出社して勤務するといった勤務形態以外の柔軟な勤務を実現することによって、フルタイムで働くことができない人であっても働くことが可能になる、出産や育児・介護といった状況でも離職せずに済むなど多くのメリットがある。

加えて、東日本大震災以降特に言われるのが、災害や大規模感染症などで通勤がかなわない際でも業務が継続して行える 業務継続性(BCP)の観点からの重要性も認識されるようになっている。

国内や海外での実施事例

国内ではまだまだ一部の民間企業や自治体などでの活用に留まっているのが現状である。国土交通省の調査でも、週に1日以上在宅勤務をする労働者は3.9%と少ない。事例としては、レノボジャパンでの2016年4月からの回数制限なしテレワークの導入や、佐賀県庁での2008年1月からのテレワーク導入などが報じられている。

海外ではどうだろうか。テレワーク先進地である米国では、週に1日以上在宅勤務をする労働者が40%近くを占めている。またEU各国でも軒並み日本より高い数値が示されている。たとえば、代表的なCMSであるWordPressを運営するAutomattic社では社員のほとんどが在宅勤務。またホテルのヒルトングループの予約オペレーターは在宅勤務で採用されているという。

ただしテレワークを推進していこうという動きの中、海外では一部にテレワークを止めようという動きもある。

例えば米Yahooの例がそれである。同社は2013年にテレワークの禁止へと方針転換をしている。米IBMも同じようにテレワーク禁止の方向だ。その理由としては、「チームワーク」や「一体感」「コミュニケーション」不足が発生することや、オフィスや不動産のコストが思ったほど削減できなかったことなどだ。

逆にテレワークを廃止して出社させることにして、チームのコラボレーションを復活させて仕事の生産性を向上させようという企業もあるのだ。テレワークこそ最良と決め付けず、業種や企業風土などに合うかどうかしっかり見極めることが欠かせない。

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