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売れるものに共通する「法則」とは?

売れるコンテンツに共通する「4つの特徴」

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(写真=The 21 online)

「難しいことをわかりやすく伝える」説明力のプロであり、フジテレビ『とくダネ!』レギュラーコメンテーターとしても活躍中の木暮太一氏。著書は累計150万部と、「売れるコンテンツ」を生み出し続けている木暮氏は、「売れるものには4つの法則がある」と話す。その法則について書いた著書『どうすれば、売れるのか?』(ダイヤモンド社)が今、話題だ。どうすれば売れるのか悩んでいるビジネスマンに向けてアドバイスをいただいた。

僕は「説明力」をテーマに、さまざまな活動をしています。でも、「説明」に興味を持ってもらうためには、その前にまず説明する「内容」「テーマ」に関心を持ってもらう必要がありますよね。そうした意味で、多くの人が必要としているコンテンツとはなんなのかを考えています。同じように、ビジネスマンのみなさんなら、「どんな商品なら興味を持ってもらえるか」「どうすれば売れるのか?」と考えていることかと思います。

僕は富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートに勤めたのちに独立しました。会社員時代に売れるビジネスの考え方を知り、独立してからは自分のビジネスで「売れる法則」を理論化したと思っています。その結果、毎年、ベストセラーと言える本を出し続けています。今回は、その「売れる法則」についてご紹介したいと思います。

主語が「自分」になっていないか?

プロが企画し開発した素晴らしく高性能な商品でも、売れないものはたくさんあります。その何がいけないのか、まずは「売れない理由」について考えてみます。

最も多いパターンは、その商品のスペック・要素を全面的に押し出すパターン。

たとえば、スポーツジムの売り文句として「最新のトレーニングマシンが揃っています!」「充実のプログラム!」などと言われても、イマイチ決定打に欠けると思う人が多いのではないでしょうか。

これらの売れないパターンは「自分」を主語に語っている点に問題があります。そうではなく、お客さんが何を望み、どうしたいか、という「相手」を主語にして考えるべきなのです。

たとえば先ほどのスポーツジムの例なら、「3カ月でマイナス10kg!ぽっちゃりお腹がバッキバキに!」などのうたい文句にすると、どうでしょうか。自分のこととしてイメージしやすくなったのでは?

このように、「商品(自分)」ではなく「お客さん(相手)」が、その商品によって何ができるか、どうなるか、という点を打ち出すことが大事です。

4つの要素を使うと、こうなる!

では、売れる商品に共通することとはなんでしょうか。それは、次の4つです。

(1)ベネフィット
(2)資格
(3)目新しさ
(4)納得感

先ほどのスポーツジムの例を使いながら、具体的に説明します。

(1) ベネフィット
これは、お客さんが得られるメリットのこと。僕はこれを「Aだった人を、本人が望んでいるBにさせること」と定義しています。つまり、その人が望んでいる変化を得られること。「3カ月でマイナス10キロ!ぽっちゃりお腹がバッキバキに!」というのが、まさにそうですね。

(2)資格
これは、誰がそれを提供するかということ。もし、スポーツジムの広告に写っているトレーナーがぽっちゃり体型だったら……誰も、「ここでトレーニングすればやせられる!」とは、思ってくれませんよね。(1)のベネフィットが得られるかどうかの「信ぴょう性」に関わる問題です。

(3)目新しさ
既存のものとまったく同じものを出しても売れませんよね。その意味で、商品には独自性が必要です。他と差別化できる「目新しさ」は、お客さんに興味を持ってもらううえでは非常に重要です。

スポーツジムの例で言えば、「バランスの良い食事と適切な運動」と言われても、「たしかにそうだけど、当たり前すぎる」と感じませんか。「アメリカ生まれの最先端ダイエット法」などと言われたほうが、「今までと違うかも」と、興味を持つ人が多いと思います。

(4)納得感
(3)の「目新しさ」は重要なポイントですが、それだけを追求したのではダメです。たとえば、「暴飲暴食でダイエット」と言われたら、目新しさがありますよね。

でも、「暴飲暴食してダイエットができるわけがない」とも思いませんか? このように、ただ奇抜なだけでは信じてもらえないのです。そこで必要なのが、「納得感」です。「言われてみたら、たしかにそうかもしれない」と思わせるだけのものがあるかどうかということ。

いかがでしょうか? これらの「売れる法則」は、実際に売れている商品を見ても、大体当てはまっていると思います。

身近な「不」を解決する視点

「売れる法則」がわかったところで、では、実際にどのようにこれらに当てはまる商品・サービスを考えれば良いのでしょうか。

これには「不」を解消する、という視点が重要だと考えます。

先ほど、売れる法則の一つとして挙げたベネフィットとは、「Aだった人を、本人が望んでいるBにさせること」だとお話ししました。つまり、ここで言う「A」の状態には不便、不満、不安、不快、不都合など何かしらの「不」があるのです。

スポーツジムの例で言えば、「理想の体型と違う」という不満や、「肥満体型で不健康だ」という不安などがありますね。

「世の中にどんな『不』があるか」を考え、それを解決する商品やサービスを生み出せば、それは確実にベネフィットとなります。

身近な「不」は、自分のこれまでの生活を思い返してみると、結構見つかると思います。たとえば僕は、大学生だった頃、よく一人で鍋料理を作っていました。安くて簡単にたくさん作れる料理だからです。でも、残った料理を保存するときに、「不」を感じていました。鍋をそのまま冷蔵庫に入れるには大きいし、かと言って常温で放置しておくと傷んでしまう。冷却装置のついた鍋があれば……なんて、思ったことがありました。こういう、身近な例でいいのです。

僕は今、子供たちに作文や読書感想文の書き方を教えていますが、これも自分が子供だった時に「不」を感じた経験が元になっています。読書感想文の書き方がわからなくて、書きたくなくて、読書そのものが苦痛になってしまったのです。同じような思いをしている子供たちがいるはず、と思って始めたら、好評をいただいています。

このように、自分が感じる「不」に目を向けてみると、そこに仕事のヒントがあると思います。

木暮太一(こぐれ・たいち)一般社団法人教育コミュニケーション協会代表理事
1977年、千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。難しいことを簡単に説明することに定評があり、大学時代に自主制作した経済学の解説本『T・K論』が現在もロングセラー。『カイジ「命より重い!」お金の話』をはじめとするシリーズ(サンマーク出版)、『社会人のためのやりなおし経済学」 (日経ビジネス人文庫)など、著書多数。(『The 21 online』2017年06月01日公開)

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