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<連載>中国人エリートの「グレーゾーン」での戦い方・第5回「お金」を出すことこそが一番の応援

「その本読みたいんで、ください!」はなぜダメなのか

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(写真=The 21 online)

3年ほど前、私は『中国13億人を相手に商売する方法』という本を出版しました。その際、日本人の知人・友人からたくさん応援の言葉を頂きました。

その中の何人からは「江口さんの本面白そうだよね。私も読みたいので、ぜひ私にも1冊ください」と言ってくる人もいました。

その気持ちはありがたい。……でも違うんですよね、これ。

「応援してるよ」「がんばってね」と言うだけならいくらでも(下手したら嘘でも)できる。本当に応援する気があるのなら「お金を出して買う」べきなのです。

私の書籍に1,620円を出してくれるかどうか、私の書籍を購入するためにわざわざ本屋に出向いてくれるのかどうか、本屋に行かなくてもAmazonでポチッとしてくれるのかどうか。そこがとても大切なのです。

日本では「気持ちこそが大切であり、お金、お金というのは汚らわしい」という風潮があると思います。私も日本人として、そういうこともわかった上であえて書かせて頂くと、わざわざ「お金を出すこと」「自分の時間を使うこと」こそが、最上級の気持ちの表し方なのです。

「言葉よりもお金を出す」が中国流の応援

「お金は汚らわしい」という意識のない中国人や、中国でビジネスを成功させている日本人は、さすがにこの点をちゃんと押さえています。

中国で事業に成功している親しい知人達は例外なく、私が書籍を出版したことを伝えた際に「その本を買いたいから、どうやったら買えるか教えてくれ」「知り合いにも配りたいから20冊まとめて購入したい」などと言ってくれました。

日本語を読めない中国人の友人からも「私も江口さんの本を買わせてくれ」と言われたくらいです。

「応援しているよ」という言葉だけで、本を買ってくれない知人の応援の気持ちは、極端な言い方をするとその程度だということなのです。

大部分の日本人の人はそこまで考えずに、悪気なく良かれと思って「頑張ってね。応援しているよ」と言っていると思います。ただ、中国はもちろん日本でも、できる人ほど相手が口先だけか行動が伴っているかを常に見て評価をしているという事実は、覚えておくほうがいいでしょう。

100回の「いいね!」より1回の購入を

たとえば、友人・知人がレストランを始めたら、Facebookで「いいね」をしたり、メールやLineで「頑張れ」と言うだけでなく、実際にそのレストランを訪問してお金を落としましょう。しかもオープン後に1回行くだけでなく、定期的に機会を見つけて利用し、お金を払う。この応援の仕方がとても重要なのです。

お金を払うということは、良い商品・サービスや自分が応援している人への「ファン投票」なのだと私は思います。「おカネは天下の回りもの」ということわざもある通り、ファン投票としてのお金もどんどん世間に回していくことで、より良い世界を作っていけるのです。

これだけ偉そうなことを書いておきながら、私自身、応援したいと思っていながら不義理にしているお店や人のことを思い出しました。早めに機会を見つけてお金を落としにいきたいと思います(笑)。

江口征男(えぐち・まさお)GML上海総経理
Tuck (Dartmouth) MBA。横浜国立大学大学院工学研究科修了。外資系経営コンサルティング会社、子供服アパレル会社を経て2007年より中国上海移住。現在上海にて経営コンサルティング会社2社(GML上海、Y&E)を経営。著書に『中国13億人を相手に商売する方法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。中国ビジネスに関する講演、執筆多数。(『The 21 online』2017年03月30日公開)

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