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「不動産」でもフィンテック

不動産取引の難点として、個人が得られる「情報」が量や質の点で業者と比べて不利なこと、取引にかかる費用が多額になりがちなことが挙げられます。こうした問題を解決しようとしているのが、不動産分野のフィンテック、いわゆる「RealEstateTech(リアルエステートテック)」です。

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(写真=PIXTA)

 

海外のほうが進んでおり、その代表例が米国のZillow(ジロー)です。収入の柱はエージェントや仲介業者からの広告で、2006年に設立された企業ですが、今やオンライン不動産データベースの代名詞的な存在です。

ほかにも、オーナー向けに不動産管理アプリをクラウドで提供するRentalutions(レンタルーションズ)、欧州では、機関投資家向けに不動産投資プラットフォームを提供するBrickVest(ブリックベスト、英国)などが知られています。

日本でも広告収入モデルは進んでいます。求人情報ビジネスのリブセンスが不動産分野に進出、成功報酬型広告モデルをベースに、中古不動産の売買サイト「イエシル(IESHIL)」などを運営しています。

アプリ開発のコラビットは戸建てや分譲マンションの相場情報提供サービス「ハウマ(HowMa)」を提供しています。

ソニー不動産は、ソニーのディープラーニング(深層学習)技術を核とした「不動産価格推定エンジン」を提供しているほか、ヤフーと提携して中古住宅の売買プラットフォーム「おうちダイレクト」を運営しています。

運用管理の業務支援に注力しているのが、インベスターズクラウドです。ネットで土地を紹介、デザインアパートの提案、建築や賃貸管理をしてくれるアパート経営プラットフォーム「タテル(TATERU)」を運用しています。

MFSは返済中の住宅ローンの借り換えを支援する「モゲチェック(MOGE CHECK)」を提供しています。

また最近は不動産クラウドファンディングも誕生しています。クラウドファンディングは、ネットで不特定多数から資金を集め、ビルやマンションに投資し、分配金を受け取る仕組みのため、投資家は物件を丸ごと買うよりも低い金額で投資できます。米国のRealtyMogul(リアルティモーグル)、Fundrise(ファンドライズ)などが知られています。

国内ではロードスターキャピタルがOwnersBook(オーナーズブック)を運営。不動産情報サイト「HOME’S(ホームズ)」運営のネクストも、クラウドファンディングプラットフォーム「Shooting Star」運営企業に出資しています。

今回紹介したリアルエステートテックのサービスは、不動産取引の透明度や流動性を高め、より投資しやすい環境をつくってくれると期待できそうです。

◆文:一村明博 (株式会社ZUU)

筆者プロフィール/一村 明博
東京都出身。成蹊大学法学部卒業。1993年、大和証券入社。富裕層や中小企業オーナーを主な顧客とする個人営業に従事し、常に全国トップクラスの営業成績を残す。入社3年目には全国NO.1を獲得。その後、2001年に松井証券入社。2004年、最年少(当時)で同社営業推進部長、そして2006年には同社取締役に就任。
高度かつ専門的な知識が必要とされる金融業界において20年以上にわたり500人以上の部下を育てた人材育成のプロフェッショナル。
〈お問い合わせ先〉 info@zuuonline.com

株式会社ZUU
http://zuu.co.jp/
東京都目黒区青葉台3-6-28 住友不動産青葉台タワー9F

2017年2月号の記事より(提供:Biglife 21)

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