Home » 経営戦略 » 電気代も支払える?「ビットコイン」の可能性

電気代も支払える?「ビットコイン」の可能性

前回までは「フィンテックの基礎知識編」として、企業経営者である読者の皆さんに知っておいていただきたい、フィンテックの歴史や現状、未来を概観してきました。過去6回の総論を受け今回からは各論として、各分野にフォーカスしていきたいと思います。

ビットコイン,仮想通貨,フィンテック
(写真=PIXTA)

 

初回は「ビットコイン」を取り上げます。「仮想通貨」「暗号通貨(クリプトカレンシー)」に位置づけられるビットコインは、インターネットで電子的に取引され、商品売買の決済手段として使われています。またFXのように投資対象として売買もされています。

ただし、暗号通貨、仮想通貨はビットコインだけではありません。イーサリアム、リップル、ライトコインなど多数あり、世界中で一番取引されているのがビットコインなのです。

お金(法定通貨)との違いは何でしょうか。

法定通貨は中央銀行が発行し、国が管理するものですが、ビットコインはユーザー同士が直接やり取りするもので、国の信用は関係ありません。銀行などの金融機関を通さないため手数料は低く抑えられますし、決済も即時で完了します。

利用する際の個人情報の入力も不要であるため、偽造旅券や麻薬などを扱った闇サイトでの取引にも使われていることが問題視されています。いまの課題は利用者を保護し、マネーロンダリングやテロ資金に使われないようにすることです。

従来、ビットコインの規制は難しいといわれてきました。それは「仮想通貨」の定義が定まっていなかったからです。定義できないものは明文化できないため法令をつくることができず、規制できません。これでは犯罪防止はおろか、消費者保護もできません。

そこで2016年5月、通称「仮想通貨法」の法案が成立しました。この法律で、ビットコインは物品やサービスの対価として使えるなど財産的な価値があり、法定通貨と交換できるとされました。また取引所が登録制となり、システムの安全管理など利用者保護が義務づけられます(ちなみに電子マネーは、同法上の仮想通貨ではありません)。

ビットコインに可能性を感じて参入した企業は、世界中に多数あります。たとえば決済ではビットペイとコインベースが有名です。コインベースは、MUFGコインの計画が取りざたされた三菱東京UFJ銀行と提携しています。仮想通貨リップルにはグーグルも着目、出資しています。日本にもビットコインの販売所/取引所として、ビットフライヤー、ビットバンク、コインチェック、BTCボックスなど多数あります。

最近、ビットコインを電気代の支払いに利用できる新たなサービスが発表されました。「coincheckでんき」というこのサービスを契約すると、電気代の一部または全部をビットコインで支払えるようになります。

日本国内でビットコインでの支払いに対応した店舗やウェブサイト、サービスも増えてきています。ビットコイン日本語情報サイトによると、2016年9月27日現在、84店舗と29の通信販売事業者で使えるそうです。

今回、水道光熱費という生活に欠かせない支払いの場面で使えるようになったことで、さらにビットコインの存在感は大きくなりそうです。

◆文:一村明博 (株式会社ZUU)

筆者プロフィール/一村 明博
東京都出身。成蹊大学法学部卒業。1993年、大和証券入社。富裕層や中小企業オーナーを主な顧客とする個人営業に従事し、常に全国トップクラスの営業成績を残す。入社3年目には全国NO.1を獲得。その後、2001年に松井証券入社。2004年、最年少(当時)で同社営業推進部長、そして2006年には同社取締役に就任。
高度かつ専門的な知識が必要とされる金融業界において20年以上にわたり500人以上の部下を育てた人材育成のプロフェッショナル。
〈お問い合わせ先〉 info@zuuonline.com

株式会社ZUU
http://zuu.co.jp/
東京都目黒区青葉台3-6-28 住友不動産青葉台タワー9F

2016年11-12月合併号の記事より(提供:Biglife 21)

【編集部のオススメ記事】
「不動産」でもフィンテック
地方起業─『君の名は』で注目される飛騨の魅力
仕事を創る町工場のホームページ活用法
<連載>中国人エリートの「グレーゾーン」での戦い方・第6回 「精神論」は通用しない!中国人は「仕組み」で動く
スマートフォンのロック解除画面は、各社でなぜ違う?