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最近工程内で起きている問題に関して

皆さんの課題に専門家が答える!企業のお悩み相談室

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(写真=Thinkstock/GettyImages)

 

最近工程内で起きている問題に関して

Q.私は製造工程の監督者をしています。工程内の人数は全体で100名程になります。半導体や電子部品の工程になります。私たちが最近悩んでいる工程内の悩みは、作業不具合が多発している事になります。今月になりすでに15件程発生している状態になってしまっています。

大まかな作業不具合の要因は作業者の不注意などが挙げられます。昨日も部資材のビニールを破り勢い余って箱を製品の上に落下させてしまったり、作業途中で離席し、戻った際に作業が終わったと思い込み製品を破損させてしまったりと、人要因での作業不具合が多い状態です。

環境を改善する活動をして対策はしているのですが、後を絶たない状態となっています。人の意識を改善する為にはどのような方法が効果的なのか教えて欲しいです。

A.工場ですぐに使える品質改善技法の開発と普及活動を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。

作業ミスに関する悩みはどの工場でも頭痛の種ですね。監督者としてご苦労が絶えないと思います。人的ミスそのものは、完全にゼロにすることはできませんが、状況から察するともっと少なくできるのではないかと考えられます。

直接の原因は、人的なミスでも、その背景には管理上の問題が潜んでいます。例えば「箱を製品の上に落下させた」「離席復帰後の作業ミス」なども管理要因が必ずあるというように捉えます。

ビニールを破り勢い余って……とありますが、では、なぜビニールは破れたのでしょうか? そして、なぜ製品の上に落下したのでしょうか?

・作業者はルール通り作業を行わなかった、ルールが無かった
・ビニール袋の構造・強度に問題があった
・製品置き場と部資材置き場(開梱場所)の配置の問題

など、現場、現物、作業者をよく観察すると、ミスが起きやすい原因、製品が破損する原因が見えてくると思います。そこには必ず、ヒヤリとする状況が発生しているのだと思います。その状況を取り除いておかないとまた同じミスが発生する可能性があります。

戻った際に作業が終わったと思い込み……これもよく発生する問題です。

・作業中断カード運用ルールが無かった、ルールはあるが守らなかった
・工程上、頻繁に作業が中断する要因がある
・作業モレ発生でも製品が壊れないようにする対策が打たれていない

など、これも現場、現物、作業者をよく観察すると、ミスが起きやすい原因、製品が破損する原因が見えてくると思います。

作業ミスを起こさないよう、作業者を意識づけ、教育することは重要ですが、ミスが多発するのは、上記のような管理の問題があり、それが解決されていない可能性が高いと考えられます。

作業ミス=作業者の意識の問題だけでなく、作業ミス=管理の問題として管理監督層は考え、改善を図って行くことが求められているのだと思います。

生産ラインにおける品質チェックの 要否判断について

Q.自動車関連部品のアルミダイキャスト金型製品の製造工場に勤務しています(社員数:300名)。フルタイムのアルバイトとして、製造ライン(旋盤やマシニングセンター)のオペレーターをしています。決められた手順に沿って、加工前製品を機械にセットし、掘削完了後、製品を取り出す、といった流れ作業です(1個45秒くらいの作業)。

ある時、掘削完了製品にドリルのキズがついていたので、課長に指摘したところ、「ありがとう。でも、後工程で品質検査をする人たちがいるから、ここではあまり、キズ発見に時間をかけなくていいよ」と言われ、大変ショックを受けました。

そこで質問ですが、製造ラインでは、キズなど気にせず、どんどん作業の回転を早めたほうが、会社全体としては、生産効率が良いものなのでしょうか?

A.課長さんの対応は、その真意を確かめずに判断は下せませんが、一般的には、後工程はお客様、不良を渡してはいけないというのが鉄則です。但し、外観傷などの官能的な品質判断は、専門の検査員が判定を下す方法が取られる場合があります。そこで、加工現場では、生産性が求められるため、課長さんは専門の検査員に判定を任せた方が良いと判断したのかも知れませんね。

工場では、生産効率と品質とを両立させなければなりません。そのために、流れ作業を行っている工程、その後の検査工程など、工程ごとに作業の内容や確認項目を明確にして、それをQC工程図としてアウトプットします。

そこで、質問者のあなたは製造工程の中で、何と何を行うのか役割は明確になっているでしょうか?

もし傷に対する品質判定を行うと決められているとして、あなたはその判断基準を理解しており、その基準に従って判断を下しているでしょうか?

あなたは工程の中で、作業項目と確認項目、そして次の工程へ渡してもいいとする判断基準をもう一度確認してみることが必要だと思います。

ものづくり.com/濱田金男(高崎ものづくり技術研究所)

●プロフィール

ものづくり.com,濱田金男,企業のお悩み相談室,人材育成
(写真=BigLife21)

濱田金男(はまだ・かねお)
〈高崎ものづくり技術研究所〉

http://factorysupport.seesaa.net/

【経歴】
1971年3月 国立長野工業高等専門学校卒業
1971年4月 沖電気工業株式会社入社 設計係長(16年)、品質・ISO9000事務局長(6年)
2001年9月 沖電気実業(深セン)有限公司 ATM組立工場品質保証部長(2.5年)
2004年5月 加達利(香港)有限公司、基板実装工場品質保証部経理(2.5年)
2007年4月 東邦工業株式会社、新製品中国立上げ技術スペシャリスト(7年)
2013年12月 昆山駿巧商貿有限公司 総経理
2014年2月 高崎駿巧ビジネス コンサルティング・オフィス 代表

【業務実績】
設計:通信端末機方式設計、顧客折衝、ハードウエア設計、基板設計、ファームウエア設計
品質:中国調達部品の品質保証、ATM組立工場工程改善、ISO9000構築/新人、技能者教育訓練、認定・評価制度構築
生産:中国ローカル工場監査、委託契約、新製品立ち上げ、製造移管、量産
マネジメント:中国拠点の運営管理、人材採用・評価、予算計画・管理

2017年7月号の記事より(提供:Biglife 21)

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