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「専門家」紹介とフィンテック

医師、弁護士、FP──。米国で人生に必要な専門家として挙げられる3つの職業です(米国ではFPはFA=ファイナンシャルアドバイザー)。日本でも、FPやIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ相談することは身近になってきましたが、まだまだ銀行や証券など金融機関の担当者にするほうが一般的です。

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(写真=Thinkstock/GettyImages)

 

最近ではインターネットでもお金の相談・コンサルティングが受けられます。たとえば「ロボアドバイザー(ロボアド)」はその一種です。代表的な米国の「ファイナンシャル・エンジンズ」は、主に401kプランのアドバイスプログラムを提供しています。

ロボアドサービスでは、基本的に加入者がいくつかの質問に答え、目標資産を決めます。ロボアド側から達成確率が提示され、その確率を高めるためにリスク許容度を引き上げる、運用期間を延ばすといった選択肢が提示され、加入者が選びます。

いくつかのサービスでは、金融商品の投資比率を提示してくれるオンラインアドバイスだけでなく、ポートフォリオの自動リバランスまで行ってくれます。

便利でコストが低いオンラインアドバイスは利用者が大きく増えると期待されました。しかし期待ほど利用率は向上しませんでした。

やはり何かと入力や作業が必要で、「始めたものの続かない」のです。そこで始まったのが、オンラインでアドバイスツールを使いながら、スタッフが電話などで対応してくれるサービスです。

インターネット上で消費者と専門家をマッチングさせる仕組みでは、日本では「弁護士ドットコム」が知られています。

これはお金の分野ではありませんが、無料法律相談が受けられるほか、法律の専門家を簡単に検索できます。FPへの相談では、日本FP協会がWebサイトでFP検索ができる仕組みを提供しています。

専門家に求められるのは、いかに専門家としてブランディングするかです。お金の専門家にとってライバルは少なくないため、自分の得意分野や実績をアピールして差別化を図る必要があります。

このブランディングの先にある発想は、「ヒューマンキャピタル」です。アドバイザー、専門家として持っている知識やスキルの価値を評価してもらうのです。

たとえばビジネス特化のSNS・LinkedInのアカウントをみれば、その人がどういうビジネススキルを持っているのか、周囲の人の評価を通して把握できます。それと同じことが、お金の専門家に関しても広がりつつあります。今後さらにその傾向は強まるのではないでしょうか。

AI(人工知能)を生かしたサービスや商品が広がるにつれ、人間が仕事を奪われるといったネガティブなニュースがよく取り上げられています。

しかし、もともと対面で行われていたお金の相談は、当初の対面サービスから、人をまったく介さないオンラインを経て、今またインターネットを利用しながら人が介する形になりつつあります。

これからの専門家には、AIやロボットなどの新しい技術(FinTech)をうまく活用しながら、人間ならではの細やかなサービス、アドバイスが提供できる能力が求められます。

筆者プロフィール/一村 明博
東京都出身。成蹊大学法学部卒業。1993年、大和証券入社。富裕層や中小企業オーナーを主な顧客とする個人営業に従事し、常に全国トップクラスの営業成績を残す。入社3年目には全国NO.1を獲得。その後、2001年に松井証券入社。2004年、最年少(当時)で同社営業推進部長、そして2006年には同社取締役に就任。
高度かつ専門的な知識が必要とされる金融業界において20年以上にわたり500人以上の部下を育てた人材育成のプロフェッショナル。

2017年6月号の記事より(提供:Biglife 21)

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